お散歩
実家の母からウチのワンコが亡くなったと連絡があった。
10年以上ウチに住んでいたワンコ、名前をウインクという。
ウインクは自分が高校生の時、親が突然連れて来た。
突然のことやったのでびっくりしたけど、動物は好きだったし、とても嬉しかった。
ウチに来た当初は、手のひらに乗りそうなぐらいの、小さなワンコだった。
それから成長して、賢い犬、とは言えなかったけど(ふてぶてしさとずる賢さはあった)、どこか憎めない、愛敬あるワンコに育った。
そして「ペット」ではなく家族、兄弟と言えるような存在だった。
進学や、就職で実家を離れてからも、自分を忘れる事なく、実家に帰省した時にはすごく喜んでくれた。
そして一緒に散歩したり、室内で遊んだりしていた。
病気にもかからずに長生きして、いつまでも実家に帰省した時は側にいてくれるものだと、勝手に思い込んでいた。
肝臓の病気。
突然だった。容体に異変があって、ものの1週間ぐらいで、あの世に行ってしまった。
命は儚いと言うけれど、正にその通りだと思った。
この間まで元気だったのに。
それとも元気を装っていたのか。
もしそうならば、そんな事しなくて良かったのに。しんどいならしんどいと、サインを出してくれたら良かったのに。
そしたら、早めに病気も見つかって、治療してまた元気になって、散歩にも行けたのに。
まだまだ一緒に遊べたのに。
馬鹿野郎。
でも、ウインクも頑張ってたんだろうな。頑張って病気と闘ってたんだろうな。
生きたかったんだろうな。
結果的にその願いは叶わなかったけど
お疲れ様。今はゆっくり休んでおくれ。
そして、我が家に来てくれてありがとね。
また将来、一緒に散歩しよう。
それまでの間、ウインクの魂が温もりのある穏やかな場所に在りますように。